ginpeichanが映画を観た感想をだらだらと。


by ginpei_chan
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『ミリオンダラー・ベイビー』★★★★★★★★★(9点)

本当は、もう一度映画館で観てから感想を書こうと思ったんだけど、
もう一度観に行けるか微妙だったので、一度目の鑑賞ですが、感想を書きます。

言うまでもなく、アカデミー賞作品賞を受賞したこの映画。
クリント・イーストウッドに二度目の監督賞を、
ヒラリー・スワンクに二度目の主演女優賞を、
モーガン・フリーマンに初の助演男優賞をもたらした。
個人的には、演技の良し悪しの専門的なことは分からないけど、
率直な感想としては、主演の3人は3人とも素晴らしかったと思います。
それどころか、脇役の役者さんは全員全く知らない俳優さんばかりだったけど、
みんなそれぞれ素晴らしかった。
『ミリオンダラー・ベイビー』というフィルムに完全に染まっていて、
一瞬として気が抜けた場面がなく、緊張感のある映画でした。
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映画の詳細に関してはこちらをご覧いただくとして。
この作品は、単なる
「ボクシングサクセスストーリーのロッキー・バルボア21世紀女バージョン」
ではないので、主人公は、食肉工場で豚肉を殴ったりしないし、
ロシア人ボクサーと友情が芽生えたりもしない。
この映画は、カットマンとしてセコンドについたボクサーの試合を止められずに
片目を失明させ、また実の娘と生き別れてしまった自分の人生を
後悔しながら老いていった老トレーナーと、
貧しい家庭に育ち、13歳からウェイトレスをして働いて、
30歳を過ぎて、自分にはもうこれしか残されていないと信じて
一瞬の輝きに賭ける女ボクサーの魂の交差を、
物静かなジムの雑役係が見つめたもの。
ボクシングと同じで、無駄な贅肉を削ぎ落として、
魂を露わにして、フィルムという名のリングに叩きつけた物語。
交差する魂は、苦悩と葛藤の末に、人生の尊厳と魂の解放のラストに導く。

とにかく、スキが無く、無駄が無く、深い感傷を残す映画。
キャストの演技も、汗や埃が匂ってきそうな映像も、
そして魂の彷徨が五線譜に姿を変えたようなピアノの旋律も素晴らしい。
こんなに、生命や人生というよりも、むしろ「魂」を描いた映画は久しぶりに観た。
それこそ、イーストウッドの『許されざる者』以来かもしれない。
9点。
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by ginpei_chan | 2005-06-10 21:28 | 映画(ま行)