ginpeichanが映画を観た感想をだらだらと。


by ginpei_chan
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『蝉しぐれ』★★★★★★★★(8点)

今回の藤沢周平氏原作の映画化は、山田洋次ではなく黒土三男監督作品。
黒土三男氏といえば、どうも長渕剛関係のドラマやら映画やらの印象しかないので
ちょっと不安だったんですが、観に行ってきました『蝉しぐれ』
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この映画も、舞台は東北の小藩・海坂藩。
密かな思いを寄せ合った幼馴染の牧文四郎とふくのふたりがいつしか離れ離れになり、
文四郎は。父が反逆者の汚名を着せられ切腹させられ、
その反逆者の息子として屈辱の日々を送り、
ふくは、江戸へ行き、美しい女性になり、殿に見初められ、側室になっていた。
運命の歯車は狂い、文四郎は、ふくが産んだ殿の子をさらうように命じられる・・・。

観ていると、山田洋次の『たそがれ清兵衛』『隠し剣鬼の爪』と決定的な違いというのは
感じなかったし、なかなかよくできた時代劇に見えた。
時代劇というよりは、ラブストーリー的な要素が強いのかな、とは思ったけれど。
大人になった文四郎を演じたのは市川染五郎で、ふくは木村佳乃。
どちらも画になる役者さんです。
物語は、ふたりが子供の頃から、ふたりの恋にフォーカスを当てていた
感が強かったのでラブストーリーっぽく感じたのかなあ。
でも、子供編と大人編に別れるこの映画、意外と子供編の尺が長くて
本編の半分くらいはあったんじゃなかろうか?
なので、そんなに2時間まるまると染様を堪能できるわけではなく、
なんとなくですが、山田洋次なら、子供時代も同じ俳優で撮るか、
子供時代を撮らないで一本作るんじゃないかなあと思いました。
ともかく、子供編もわりと長いんですけど、子供編は、文四郎とふくよりも、
文四郎の父である助左衛門を演じた緒形拳がとても印象深かったなあ。
飄々としていて、しかり武士の誇り高かった父を文四郎は尊敬していた。
貧しい家でありながら高潔な雰囲気漂う父の姿を好演していて素晴らしかった。
そして、切腹させられるのだが、文四郎がその父の亡骸を猛暑のなかを
ひとりで大八車で家まで引いていくシーンは白眉。
この映画、いろんなシーンが印象に残っていて、写真集を作れそうな気がするほど。
映像はとてもきれいだったし、染五郎も木村佳乃もよかったし、
文四郎とふくの子供時代を演じたふたりの役者もみずみずしくてよかったし、
文四郎の幼馴染を演じたふかわりょうも今田耕司も悪くないし、
何より緒形拳・幹太の親子、文四郎の母原田美枝子、ふくの側近を演じた柄本明、
そして大滝秀治や加藤武などの大御所もガッチリ脇を固めている。
なかなかスキのないキャスティングでした。
映像も美しいし、キャストもよかったし、ストーリーも手堅く、なかなかのものでした。

『たそがれ~』と『隠し剣~』との違いといえば、
クライマックスの決闘シーンが、この『蝉しぐれ』では若干アッサリと作られていて、
山田洋次作品よりもカタルシスが足りないかな~という程度。
特に、僕のお気に入りの『隠し剣~』は、決闘があり、その後「鬼の爪」があり、
すごく興奮したのを覚えています。
この映画、文四郎がクライマックスでいきなり心眼に目覚める、というのは
ちょっと強引かな?と少し疑問に思いました。
でも、ふたりの男女の恋にじっと焦点を当てて描いている。
観客はわりと年齢層が高めだったけど、
若いカップルが見ても感動できるんじゃないかな。
なんか今、この映画、わりとヒットしているようで、
できれば、『隠し剣鬼の爪』のときも、これくらい脚光を浴びてほしかったものだけど・・・
で、とうとう、山田洋次氏、次の藤沢周平作品の映画化を、
主演にキムタクを迎えて撮るというんですよ!!!
なんかすげー不安なんですけど・・・(TωT)
ま、ともかく、この映画に関してはなかなか良いラブストーリーでした、ということで、8点。

あ、あと完全に蛇足ですが、未亡人にしておくには勿体無い、文四郎の母・原田美枝子。
アップになったときに、耳たぶにピアスの穴大写しでしたがな。(笑)
メイクで隠すようなこと、しないんですかね??
ちょっと不思議。
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by ginpei_chan | 2005-10-10 23:59 | 映画(さ行)