ginpeichanが映画を観た感想をだらだらと。


by ginpei_chan
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『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』★★★★★★★★★(9点)

ショーン・ペン主演、これがデビュー作のニルス・ミュラー監督による
『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』を観ました。
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実際にリチャード・ニクソン暗殺を企て、失敗した男の実話を基にして
監督ミュラーが脚本を書き、5年の歳月をかけて完成させた入魂の一作です。
この新人監督のデビュー作に、レオナルド・ディカプリオ、アレクサンダー・ペイン、
アルフォンソ・キュアロンなどそうそうたるメンバーが
脚本を読んで製作協力を願い出たというから興味も沸きます。
キャストも、別居中の妻役に、『21g』で共演したナオミ・ワッツ、
友人で自動車修理工を細々と営む男にドン・チードルと、共演陣も豪華です。

44歳で、妻は3人の子どもと別居中、仕事もうまくいかず、
人生の逆転を狙ってビジネスを起こそうと奔走するも失敗し、
唯一心の頼りだった友人さえも裏切ってしまった人生どん詰まり男のサム・ビック。
そのサムが、いかなる軌跡でリチャード・ニクソン大統領の暗殺を企てるに
至ったかを描いた作品。
単にダメ男の悲哀を描いただけではない。
それをショーン・ペンが演じたからこれはもうタダゴトではない。
名指揮者レナード・バーンスタインに宛てたモノローグも独特の深みを持ち、
自分でダメ人間だということを自覚していながら、
それでも正直者がバカをみる社会に抗おうとし、
そして全てを失った後の焦燥感といったら、
これはもう、ショーン・ペン以外には演じられなかったといっても
言いすぎじゃない域に達しています。
ショーン・ペン=サム・ビックは、狂気に見えて実は正気だったのではないか。
この微妙なところを成立させたのは、当代一の俳優ショーン・ペンあってのもの。
演出面でも、時代を感じさせる映像はもちろん、プロダクションデザインも、
TVでウォーターゲート事件の釈明を繰り返すニクソン大統領の映像や
家具屋の社長がカーネギーの啓発書やテープを押し付けてくるところなど
時代を感じさせるディテールの描き方も素晴らしかったです。
正直、これはショーン・ペンの代表作になるのでは?と思ったほど。
もちろん、『21g』もいいし、『ゲーム』『ミスティック・リバー』も素晴らしいし、
『デッドマン・ウォーキング』も思い出深いけど、
今回のショーン・ペンも深いです。本当に。
日本で公開時には、たいして話題にもならなかったと思うけど、
映画ファンなら必見の映画だと思いました。
(暗いし、救いが無い映画なんだけどね・・・)
傑作の域に達していました。9点です。
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by ginpei_chan | 2006-02-14 06:08 | 映画(ら行)