ginpeichanが映画を観た感想をだらだらと。


by ginpei_chan
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『ある子供』★★★★★★★★(8点)

ベルギーのリュック&ジャン=ピエールのダルデンヌ兄弟による
『ある子供』をDVDで観ました。
昨年のカンヌのパルムドール受賞作です。
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僕が、ダルデンヌ兄弟を知ったのは、1999年のカンヌ・パルムドール受賞作の
『ロゼッタ』を観たときだから、もう4、5年前になるかなあ。
ロゼッタという女の子が、ひたすら前向きにパワフルな映画、です。
(説明になってないな(笑))

で、これが、彼らの2度目のパルムドール受賞作となった作品。
舞台はベルギー。(たぶん)
若いカップル、ブリュノとソニアの間に男の子が生まれる。
病院から退院したソニアは、ブリュノを探すが、連絡が取れない。
ブリュノは、毎日をチンピラ稼業で日銭を稼ぐことで生きていた。
若くして母親になったソニアだが、しかし、子供を産んだ喜びに満ち溢れ、
なんとかブリュノにも堅気の仕事をしてもらい、家族で幸せになることを夢見ていた。
しかし、ブリュノは、盗品ブローカーを通じて、その赤ちゃんを売ってしまう。
大金を手にして浮かれ気分のブリュノだが、
その事実を聞き、大金を目にしたソニアは卒倒し、気を失ってしまう。
徐々に、失ったものの大きさを感じ始めるブリュノは、
失ったものを取り戻そうと、少しづつ、その糸を、不器用に手繰り寄せ始める。

いやあ、とてもシビアな映画だ。
甘っちょろいファンタジーなんてどこにもない。
幼稚でバカな若者が失ったのは、恋人、自分の息子、貧しいが自由だった暮らし。
目の前から全てが失われ、それでもそれらを取り戻す術を知らず、
ケチな窃盗で窮地に追い詰められてしまう彼。
しかも、彼が、子供への愛情に目覚め、子供を売ることの愚かさに気づいた、
というわけでもなく、ただ単に、なんとなく、「自分は悪いことをしたんじゃないか」
と、焦り始めるあたりがかなりリアルでシビアだなあ。
うーん、ほんとにシビアだ。
でも、こんなシビアな視線が好き。
甘っちょろい映画に慣れてしまったから新鮮に感じるのかもしれないね。(笑)
でも、ちゃんとこの映画には救いを残している。
そのラストシーンのおかげで、どれだけ救われたことか。
愛と、赦しと、絆と、愚かさと、たくましさと。
人間は、とてもアンバランスだけど、魅力的な生き物だね。

このダルデンヌ兄弟の作品、やはりBGMを用いず、
余計な演出などは極力排除して、描きたいものだけを追っていく。
とてもテンポがよく、物語から、スクリーンから、全く目を離せなくなる。
やっぱり、この映画は、画面から目を離せない何かがあった。
本編も90分くらいしかないので、いいテンポでラストまで運んでくれる。
一映画作品として、よくできた映画だと思います。

この映画、女性が4~5人くらいで「いかに男がバカで幼稚な生き物か」というのを
延々と語り合いたいときに観るといいかもしれない、と思いました。(笑)
それから、洋の東西を問わず、ダンボールをかぶって寝るのは暖かい
ということは同じなんだなあと思いました。(笑)
なんて、そんな映画です。8点。
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by ginpei_chan | 2006-09-06 02:31 | 映画(あ行)