ginpeichanが映画を観た感想をだらだらと。


by ginpei_chan
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『グエムル 漢江の怪物』★★★★★★★★★(9点)

さて、待ちに待ったポン・ジュノ監督の最新作にして、
現在韓国で観客動員記録を更新している真っ最中という超話題作、
『グエムル 漢江の怪物』を鑑賞して参りました!
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(今回はちょっとネタバレありでお送りします・・・)

監督は、『ほえる犬は噛まない』『殺人の追憶』のポン・ジュノ。
なんだか、最近は「韓国のスピルバーグ」とか言われているとか。
その喩えが正しいのかどうかは別として、とても面白い映画を作る監督ではあります。
そのポン・ジュノ監督が、長編3作目に選んだのは「怪物映画」でした。
怪物映画なんて、映画館に観に行くのはいつ以来だろう・・・
もしかして生来初めてかもしれない、映画館での怪物映画
(『ゴジラ』とか、意外と映画館で観てなかったりする・・・)

韓国一大きく、美しく、たおやかに流れる漢江。
その川岸で小さな売店を営んでいたダメオヤジのカンドゥの目の前に、
突如として怪物(韓国語でグエムルというらしい)が現れ、
一人娘のヒョンソをさらっていった!
カンドゥは、政府や軍、さらには米軍の思惑に翻弄されながらも、
父のヒボン、妹のナムジュ、弟のナミルと共に、
グエムルにさらわれたヒョンソを助け出すために奔走する。

カンドゥを演じたのは、『殺人の追憶』でも主演し、
『シュリ』『JSA』『南極日誌』『大統領の理髪師』『復讐者の憐れみを』など、
シリアスからコメディまで圧倒的な演技力と存在感で演じ分けるソン・ガンホ。
個人的には、チェ・ミンシクと並んで、韓国映画俳優の至宝であり、
愛すべき僕のヒーロー“ガンちゃん”です。
もう、この映画でも、まるまると肥え太って、徹底的にダメオヤジっぷりを発揮!
父のヒボンとふたりのシーンが多い本編前半では、笑いが止まりませんでした!
ガンちゃんはコチラ↓
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その父・ヒボンは、ピョン・ヒボンなる俳優さんが演じていますが、
もうそのトボケた雰囲気といい、演技の間といい、素晴らしい俳優さんでした。
『ほえる犬は噛まない』にも出ていたらしいけど・・・どの人だっけ?(笑)
絶妙なコメディ演技、ピョン爺はコチラ↓
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カンドゥの妹・ナムジュ役は、もうおなじみペ・ドゥナちゃんです。
『ほえる犬は噛まない』で鮮烈なデビューを果たし、
『復讐者で憐れみを』では魅力的なフルヌードを披露し、
邦画『リンダリンダリンダ』にも出演する、韓国を代表する若手人気女優さん。
この映画では、ツメの甘いアーチェリー選手役なんですけど、
髪の毛はほとんどボサボサだし、そのキレイなお顔も汚れてるしで・・・
でも、きっちりとキメシーンも用意されていてカッコよかったです。
ほんっと、いい役者さんですドゥナちゃん。
日本の女優さんにはなかなか例えることのできない魅力的なコですよね。
荷馬車には揺られないドゥナドゥナはコチラ↓
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カンドゥの弟・ナミルにはパク・ヘイル。
どっかで見たことあるんだけどなあ・・・と思って調べてみると、
『殺人の追憶』の容疑者役でした。
手元にDVDがあるので、後で観てみよう。
父・ヒボンが、苦労して大学まで出させてやったものの、
当の本人は、民主化運動のデモに夢中で、
卒業してもフリーターという親泣かせの次男坊です。
一歩間違えばニート、ギリギリのフリーター・ナミルはコチラ↓
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そして、物語の重要なカギとなる、カンドゥの一人娘・ヒョンソを演じたのは、
若干中学生のコ・アソンちゃん。
祖父と父に溺愛されるが、それがちょっと鬱陶しくも感じている普通の女の子。
スクリーンに現れた当初は、なんとも思っていなかったんだけど、
いやあこのコがどんどん可愛くなっていく。ほんとビックリ。
いや、事実、この子は本編のほとんどを、泥だらけの姿で、
殺風景なコンクリートに囲まれた部屋で過ごすんですけど、
そんなことが全然気にならなくくらい、かわいくて魅力的になる。
監督の演出もあるんだろうけど、本人の魅力によるところも大きいんだろうなあ。
まだキレイな頃のアソンちゃんはコチラ↓ 汚いアソンちゃんは劇場でご確認を。
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と、キャストについてはそんなところ。
あとは、重要なキャストといえば、怪物(グエムル)なんですけど、
これはほとんどCGなんでしょうねえ。
どうやら、『ROTR』などのスタッフが製作しているらしいんですけど、
予算の関係か、ちょっとチープなところが目に付きました。
ただ、それを気にしなければ充分面白いキャラクターだったし、
なんといっても、日本映画の顔役ガッズィーラなどと違い、
その大きさといっても、カバかゾウくらいのもの。
そんなクリーチャーが、シッポをうまく使ってアクロバットを見せるかと思いきや、
漢江を悠々と泳ぎまわり、そして川岸の斜面でスッ転ぶ!(爆)
なんとも憎めないヤツです。(笑)

ほんと、キャストに関してはこんなところ。
とにかく、カンドゥの家族が、ヒョンソ奪還のため、凶暴な怪物に戦いを挑む物語です。
もちろん、政府や米軍などのそれぞれの思惑が絡んだ裏話などもありますが、
それ以上のものはなく、とにかくダメ家族vs怪物の映画なのであります。
この物語の構成がとても潔くて面白かったな!
まるで、怪物が、この家族のために造られたかのような存在なんだもん。(笑)
また、その怪物の登場シーンで大爆笑!
画面の向こうから走ってやってくるのです。(思い出しただけで爆)
なんか、「さあ、来るぞ来るぞ来るぞ!」的なヒキもなく、
アッサリとその姿を現す怪物くんに呆気にとられてしまいやした。

まあ、この映画、キャストも怪物も魅力的なんですけど、
そういった、従来の怪獣映画の文法を覆した演出がとても面白い。
だいたい、怪物と対峙するのがアンチ・ヒーロー的なダメ家族だし、
どいつもこいつも、キメなきゃならないときにキメられない。
しかし、演出では、スローモーションにしたりアップにしたりして煽っちゃうし。
そういう、緩急自在の演出にすっかりヤラレちゃいました。

物語も簡潔だし、演出もとても面白いし、こりゃあヒットするわなあ。
なんて考えつつ、物語はラストへ。
ラストシーンは・・・うーむ。
『殺人の追憶』と同じく、明瞭な答えを用意しませんでしたねポン・ジュノ。
このラストシーンは賛否両論ありそうだなあ。
僕は、このラストもアリだとは思うけど、もう「一方のラスト」を観たかった。やっぱり。
でも、ほんとに映画を観たっ!っていう見ごたえを残してくれました。
恐るべしポン・ジュノ。
娯楽大作であり、怪獣映画であり、コメディでありシリアスドラマであり。
こういうミクスチャームービーってのは、作り方によってはすごく中途半端なものに
なっちゃうと思うんだけど、この映画の場合、
その全てが、ひとつとして欠けてはいけない要素として
見事なバランスで拮抗し合っていた感があります。
そして、いい映画を観た後によく思うことだけど、
きっと、日本ではこんな映画を作れなかったんだろうなとも思うのであります。

そんなこんなで、見事なエンターテイメント・ムービーでした。9点。
賛否両論あるのも頷けるし、ちょっとでも面白くなかったらけなしてやろうと思ってた。(笑)
でも、面白かったです。うん。

ちなみに。
ポン・ジュノって、やっぱりドロップキックが好きなのね。(笑)
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by ginpei_chan | 2006-09-07 04:05 | 映画(か行)