ginpeichanが映画を観た感想をだらだらと。


by ginpei_chan
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『そして、ひと粒のひかり』★★★★★★☆(6.5点)

数年前にサンダンス映画祭で話題になり、主役のカタリナ・サンディノ・モレノが
オスカーにノミネートされた『そして、ひと粒のひかり』
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南米はコロンビアの田舎で暮らしていたマリア。
家族関係も、彼氏とも、仕事もドン詰まりで、オマケに妊娠。
行き詰ったマリアは、ふとしたことで知り合った男に紹介され、
「運び屋」の仕事をして、大金を稼ごうとする。
その仕事は、胃に麻薬を詰めたカプセルを大量に飲み込んで
アメリカの空港の税関を通り抜けるという、とても危険なものだった。

んー、なんだろうなあ...
凄く厳しいストーリー...
まあ、一人の少女の成長記といえばそうなんだけど、
扱ってる題材が重いし...うーん...
それから、アメリカという金持ちな国がドラッグを他の国から調達するのに
どれだけの貧しい国々の人々を傷つけ、搾取し、血が流れてるんだって話ですよ。
なんか、そういうことを考えるととても気が重い。
マリアにとっては、ある限定的な意味でのサクセス・ストーリーかもしれないけど
彼女が彼女とお腹の赤ちゃんの命を危険にさらしてまで運んだドラッグは
アメリカにいる、明らかに彼女よりもはるかに金持ちなアメリカの人々が
少しの間ハイになってアッパーになってハイ終わりなだけの話ですよ。
アメリカ人がもっとハイになりたきゃあ、
もっとコロンビア人の血が流れるだけなんですよ。
極端にいえば。
(ドラッグやってるのはアメリカ人だけじゃねえぞ、とか、
 コロンビア人はいつも腹を切り裂かれてるワケじゃねえぞ、とか、
 ドラッグだって立派な産業として成り立ってるんだぞ、とか、
 そういうツッコミはこの際ナシね。これ、映画の感想を言ってるだけだから)
なんか、この映画を観て、『トラフィック』を思い出しました。
『トラフィック』とセットで観ると、今のアメリカのドラッグ問題がよく分かる気がする。
この映画に出てくる、アメリカに住むカルラという女性がいるんだけど、
コロンビアからNYに移り住んだカルラは、
「コロンビアで子育てをするなんて考えられない。残念だけど。」と言う。
祖国で子供を育てられない。それがコロンビアという国を表してるんだろう。
彼女のセリフを聞いてて、辛くなってきた。
僕は、将来子供に恵まれるかどうかは分からないけど、
日本では子育てできないとか、そんなこと考えたくもない。
でも、コロンビアではそうなんだろう。とても悲しいことだけれど。
まだ、コロンビアにいる頃、ルーシーはマリアに語った。
アメリカとは、「パーフェクトな国」だと。
この映画らしい、皮肉的な表現だな。

映画そのものを評価するなら...
そういう、コロンビアという国と、アメリカという国を切り取った視点の鋭さと、
それを、一人の若い女性の青春と重ね合わせた語り口の上手さ。
そういったところだと思う。
主演のカタリナ・サンディノ・モレノはいい役者さんだと思うけど、
そこまで感じ入るところはなかった。
映画としては6.5点。
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by ginpei_chan | 2006-12-21 02:23 | 映画(さ行)