ginpeichanが映画を観た感想をだらだらと。


by ginpei_chan
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

『隠された記憶』★★★★★★★★(8点)

ミヒャエル・ハネケの新作にして、カンヌで監督賞を受賞した、『隠された記憶』を鑑賞。
ミヒャエル・ハネケといえば、僕は、過去に
『ファニーゲーム』と『ピアニスト』を鑑賞済みなのですが、
まあこの2作品もかなりの曲者でしたねえ。
『ファニーゲーム』は、もう胸クソ悪くなること山の如しでしたわ。
特にスプラッタな場面は無いんですが、そんじょそこらのホラー映画よりもよっぽど怖い。
そして、ハンパねえ(by東京の漫才師)くらい後味が悪い。
あんなに後味の悪い映画は記憶に浮かばないくらい。
『ピアニスト』は『ピアニスト』で、美しさと醜さの混在したとても不思議な映画で、
しかしやはりどこか心を揺り動かされたまま鑑賞し、
衝撃のラストシーンでまた僕は低く呻く。(笑)
なんなんでしょうね、このハネケって人。
...まあ、映画監督なんですけど。(笑)

ともかく、『隠された記憶』
c0019227_14534628.jpg

次々と送られてくるビデオテープに怯える夫婦。
彼らを脅すのは誰?そして、犯人の真意とは?

いやあ、しかし、脅迫される人々の不安感と焦燥感をじっくりねっとりと炙り出し、
そして、ハネケお得意の衝撃的なシーンもちゃーんとご用意。
ある意味しっかりと「ハネケ節」、しかし今まで以上に考えさせられた作品でした。
子供の頃の過ちを、加害者側はどれだけ憶えているか?
それを深刻に受け止めているのか?
被害者側は、どれだけ積年の恨みを積もらせているものなのか?
僕の大好きな『オールド・ボーイ』にも似た筋でしたね。
そして、フランス人の中に潜んでいるアルジェリア人への差別意識。
うーん、やはり辛い話ではありましたねえ...

まあ、そういう小難しい話はヌキにしても、スリラーとして充分に面白かったですね。
真犯人は誰か?その真の目的は?という謎解きが、難解でしたが面白かったな。
そして、衝撃のラストシーン!
アイツとアイツがまさか知り合いだった?共犯者?ええーっ!
...というところで終わっちゃうのですが(笑)、そういう終わり方もハネケらしいですね。
明確なラストを提示しないのは彼の常套手段です。
こういう後味の悪さを前向きに楽しむのも、ハネケ映画を楽しむコツですね。(笑)
この映画、前向きに向き合わないと眠くなるかもしれませんし。(笑)

まあ、ハネケらしい後味の悪さ、そしてじっとり怖くなる演出、なかなかの作品でした。
主人公の夫婦のふたり以外の人間が、全員何を考えてるのか分からないような
恐怖感というのも凄いですよ。何が怖いって、人間が怖い。うん。
久々に、「スリラー」という言葉がピッタリくるような映画ですね。
なかなか面白かったです。8点。
[PR]
by ginpei_chan | 2007-01-06 14:43 | 映画(か行)