ginpeichanが映画を観た感想をだらだらと。


by ginpei_chan
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『ブラディ・サンデー』★★★★★★★★☆(8.5点)

あの「9.11」で、テロリストにハイジャックされながら、ただ一機目標に到達しなかった
ユナイテッド航空93便を描いたドラマ『ユナイテッド93』
そして、マット・デイモン主演の大ヒットシリーズの2作目『ボーン・スプレマシー』
この、一見全く毛色の違うような2作品を撮ったのが、映画監督ポール・グリーングラス。
その彼の出世作ともいえる、1972年にアイルランドで起きた
公民権運動の悲劇「血の日曜日事件」を描いたのがこの『ブラディ・サンデー』です。
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この作品は、『ユナイテッド93』と同様、
実際にあった事件をドキュメンタリータッチで描かれたもので、
ある意味、ポール・グリーングラスは、この映画の撮影で培ったノウハウを
『ユナイテッド93』に持ち込んだともいえるのかもしれません。

物語は、1972年1月30日の日曜日に、平和的なデモ行進を組織しようとした
地元選出のイギリス下院議員、アイヴァン・クーパーの視線を通して語られます。
人々を笑顔で励まし、努めて冷静になろうとする彼だったが、
軍の挑発を受けた民衆が次第に暴徒と化し、遂には彼の手に負えなくなっていく。
そして、“平和的な行進”は赤い混沌(カオス)へと走り出す...
アイヴァン、彼の恋人、軍幹部、地元警察、パラシュート部隊、若者たち、そしてIRA。
様々な者たちの様々な思惑が昂ぶり、ぶつかり合う様子に唖然。
無抵抗の民衆に銃を向け、白旗を振る人間にまで発砲する兵士たち。
銃撃戦が終わった後、「アドレナリンがドクドク出た!」と、目を輝かせる者まで...
凄い。これが戦争だ。キレイごとじゃなく、殺し合いってのはこういうもんだ。
僕らはあそこまで残虐になれるか?人をゴミクズと思えるか?
同じ人間だ。そんな、30年やそこらで人間の本質なんて変わんないさ...
『ユナイテッド93』を観たときと同様に、観終わった後、言葉を失くしてしまいました。
なるほど、これを撮れたのなら、『ユナイテッド93』も撮れるよなあ...
僕は、『ユナイテッド93』を、以前「今までの映画と文法そのものが違う」と
表現したのですが、なるほど、この映画とは同じ手法でした。
僕は、きっと、オリバー・ストーンに語られるよりも、この手法で語られた方が、
9.11も、北アイルランド紛争も、まるでそこにあるように感じることができるだろうな。

本編が終わった後、エンドロールが流れ始めて聴こえてきた
U2の「Sunday Bloody Sunday」。
「どこかで聴いたことのある曲だなあ...U2だっけ?」くらいの認識しかなかったけど、
この曲、「血の日曜日事件」について唄った曲だったんだ...知らなかったです。
初期のU2の曲はよく聴いたことなかったんだけど、これから聴いていこうと思いました。
驚いたのは、エンドロールが終わって、画面は完全に暗転してるのに
流れ続けるこの曲が、余韻に浸りつつも現実に戻りたがる僕の心を引き離さない。
参った。やられました。今も余韻に沈む僕です。
今も、某動画配信サイトの、U2の「LIVE AID」のパフォーマンスを聴きながら
この文章を書いています。
しばらく、この映画の余韻が続きそうやなあ...
観てよかったです。8.5点。
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by ginpei_chan | 2007-01-15 15:07 | 映画(は行)