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ginpeichanが映画を観た感想をだらだらと。


by ginpei_chan
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『リトル・ミス・サンシャイン』★★★★★★★★☆(8.5点)

このたびのアカデミー賞で、作品賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞に
ノミネートされて話題になっている『リトル・ミス・サンシャイン』
ずっと観たかったのですが、オスカーノミネートのおかげか、
神戸でもレイトショーが再開されたので、めでたく鑑賞することができました。
『リトル・ミス・サンシャイン』★★★★★★★★☆(8.5点)_c0019227_11345934.jpg

機能不全に陥った家族の再生を描くロードムービー。
ヘロイン中毒でポルノに目が無く、口の悪いおじいちゃん=グランパ、
自己啓発のための「9ステップス理論」を開発したはいいが、
講習会を開いても客は入らず、出版社にもまともに相手にされない父=リチャード、
家族をまとめようと奔走する、家族の中ではまともだけど煙草が止められない母=シェリル、
ゲイの恋人に振られ、自殺未遂を起こして学者の職を失った妻の弟=フランク、
空軍士官学校に入学するまで一切の発話を絶ってしまった長男=ドゥウェイン、
ぽっちゃりのメガネっ子ながら、子供ミスコンで優勝することを夢見る女の子・オリーヴ。
そんな凸凹家族が、オリーヴがミスコンの「リトル・ミス・サンシャインコンテスト」の
全米大会に出場する機会を得、フォルクスワーゲンのミニバスで旅に出る物語です。

もう、徹底的なダメ家族っぷりには笑えるし、でも、観ている観客はすぐに、
この家族には愛が必要なんだ、みんな愛に飢えているんだと気づかされる。
不器用ながら、少しづつ、家族が愛を取り戻していくさまが微笑ましい。
家族は、憎まれ口を叩きながら、それでも、みんなでバスを押しながら、
ひとつの行き先、ひとつの形に向かって走り続ける。
ロードムービーのお手本のような作品といってもいいと思います。
100分ほどの小品ながら、とてもよくまとまっていて、個性豊かで、
東京国際映画祭やサンダンス映画祭をはじめ、世界中の映画祭で話題をさらい、
口コミで公開館数も伸びていったというのも納得の作品でした。

出演も、ベテランのアラン・アーキン、グレッグ・キニア、トニ・コレットの演技派が揃い、
『40歳の童貞男』でブレイクしたスティーブ・カレルが
フランクを演じたのも、この映画には幸運なことでした。
また、ドゥウェインを演じたポール・ダノも、作品の中でみるみるとよくなっていって、
何気に僕の一番のお気に入りキャラになりました。
オスカーにノミネートされた、オリーヴを演じたアビゲイル・ブレスリンちゃん、
名前だけなにげに憶えていたんだけど、『サイン』の女の子だったんですね。
すごーくいい味出してました。ラストのダンスは圧巻!(笑)

オスカーを獲るには小品すぎるかもしれないけど、
それでも傑作としてずっと残っていく作品だと思います。
映画館で声を出して笑える作品ってやっぱり素敵。8.5点です。
by ginpei_chan | 2007-02-23 11:57 | 映画(ら行)