ginpeichanが映画を観た感想をだらだらと。


by ginpei_chan
カレンダー

2006年 05月 28日 ( 2 )

近年の邦画界で屈指の傑作、『下妻物語』の中島哲也監督の最新作、
『嫌われ松子の一生』を観てまいりました。
壮絶なまでに不幸な人生を歩む川尻松子の生涯を、
しかし明るく前向きに、ミュージカルシーンをまじえて描く異色作です。
c0019227_8254638.jpg

まあ、ここ数ヶ月の公開前の話題といえば、
中島監督と、松子を演じた中谷美紀の撮影中の確執を芸能ニュースが伝えたり、
なんかそういう話題作りもどうなんかなーとは思うんですけど、
ともかく本編の内容が面白ければいいなあと思い、劇場に足を運びました。

この映画、ストーリーそのものは、ほぼ救いらしい救いのない
人生まっさかさま転落地獄絵図なんですけど、
それを、徹底的にポップに前向きに描いていて、ときに笑っちゃうほど。
それに、暗い暗い物語を、彼女の存在を知らなかった甥の笙(瑛太)が
生前の松子に関係した人々の回想をもとに追いかけていくという構成で、
その構成のおかげでちょっと救われたかな。
このへんは構成の妙でしょう。
瑛太、よかったですね。なんか、じーんときました。

で、キャストですけども、主演の中谷美紀はまさに熱演でした!
健気というか、バカというか、一途というか、
彼女が愛する男は皆揃ってひとクセもふたクセもある人たちなんですけど、
いろいろな男を、真正面から受け止めて、
男から受ける愛情(たとえ愛情らしきものを受けなくても)を
何倍にも何十倍にもして返していく、超ポジティブ恋愛活劇を繰り広げます。
(結局は、みんな松子の愛を受け止めきれずに逃げていったんだろうけどね)
また、松子の愛した男たちの個性的なこと!
「オマエは「めぞん一刻」の三鷹か!」と、30代以上の観客に
ツッコませるためのキャラなのか、体育教師役には谷原章介。
それから、太宰かぶれの退廃小説家役にクドカンがグッとハマり、
そのクドカンの友人で、クドカン亡き後に松子を奪う兼業小説家役に劇団ひとりを配し、
どちらもその多才ぶりに大いに驚かされる。
そして、武田真治がトルコ嬢(時代ですなぁ(笑))のヒモ役で、短い時間だけど出演し、
その怪演ぶりにワクワクしたし、
中島作品には続けて出演の荒川良々が、
おそらくは、松子が愛した男の中で唯一マトモな男を演じて、
そのたたずまいがクスッと笑えたりね。
そして、松子がその人生を捧げたといってもいい龍を演じた伊勢谷友介・・・。
いやあ、当然カッコいいんだけど、いい役者になりましたなぁ。
そのほか、AV製作会社の社長兼AV女優の沢村社長役に黒沢あすか。
初めて観たんですけど、いい役だったし、いい女優さんですね。
それから、トルコ嬢役で出演したBONNIE PINK!!
すっげえハマってました!(≧∇≦)
この配役を考えついた人は天才かもしれない。
松子の人生を彩った人々、とても個性的で楽しかったです。

この映画はこの映画で突き抜けている作風ですが、
個人的には、どちらかというと、『下妻物語』のときの作風の方が好きですね。
青春モノに、ヤンキーと茨城とゴスロリがハマってて。(笑)
今回は、物語が思いっきり暗かったですからね。
たぶん、ついていけない人もいたかもしれないです。
でも、既に、中島監督しか造りえない映像世界。良かったです。
8点かな。
思いっきり暗いのに、観終わったらなんか清々しくなれる映画でした。

それから。
中島監督、もしかして、中谷美紀の中のMな部分を引き出して
撮影を通して真性M調教をやりたかったんじゃなかろうか?(爆)
[PR]
by ginpei_chan | 2006-05-28 21:22 | 映画(か行)
こんばんは。
久し振り(といっても2週間ぶりか)に書きます。
ちょっと、私事でいろいろありまして、なかなか映画を観る時間もありませんでした。

で、2週間ぶりに観た映画が、今いちばんの話題作、『ダ・ヴィンチ・コード』
世界的ベストセラーの映画化です。
ハリウッド随一のスター俳優トム・ハンクスが主演し、
『ビューティフル・マインド』の製作・監督・脚本チームが製作。
(ブライアン・グレイザー、ロン・ハワード、アキヴァ・ゴールズマン)
ヒロインにオドレイ・トトゥ、脇を固めるのにジャン・レノ、イアン・マッケラン、
ポール・ベタニー、アルフレッド・モリーナなどなど。
まあ、大ベストセラー、人気と実力を兼ね備えたキャスト陣、実績あるスタッフ。
これだけ揃えて、面白くないハズがないっ!(≧∇≦)

という感じの超大作映画ですけど、さて内容はどうなのやら。
この映画、ずいぶん前から、映画館でバンバン予告編を流してたんですよね。
それで、同じ映像を見慣れてしまったということもあるかもしれないんですけど、
何度予告編を観ても、わたくし、面白いニオイが全くしないという、
不思議な感覚がずっとあったんですよ。

いやホント、不思議なことですけど。
で、あまり大きな期待を抱かずに観たんですけど・・・
結果は、自分の勘はなかなかのものだなぁと感心した次第です。
c0019227_1234711.jpg

僕、原作を読んでないんで、原作との比較はできないんですが、
まあ、ストーリーは、よくある探偵モノ小説に、
オカルトやら宗教学やらという、俗世間の人間の興味をひきそうなエッセンスを加えたもの。
原作はもうちょっと深い?物語かもしれないけど、まあ大筋はそんなモンだと思います。
それが、主人公とヒロイン以外、誰が敵か味方か分からないように
スリリングな展開にしておいて、最後までハラハラドキドキな展開を維持して、
どうですか?2時間半楽しめましたか?な趣です。
まあ、サスペンス映画としては、よく練られているし、題材も新鮮で興味をひくもので、
そこに穴は無さそうにも思えるし、確かにそれなりに面白かったかもしれません。
でも、いかんせん、キリスト教の造詣に疎い日本人を相手に、
果たしてこの物語がどれだけ観客に訴求できるのだろう?
観客のほとんどは、「へぇ~」で終わるんじゃなかろうか?
少なくとも僕はそうでした。
世界中で、上映禁止の国があったり、教会が信徒の鑑賞に関してコメントを出したりとか
少なからずスキャンダラスな話題を振りまいているなか、
日本では、観客の感想は「へぇ~」程度で止まってしまう気がしてなりません。
なので、僕には、そのへんに数多に転がっている
サスペンス映画より特別なものには、とても感じられませんでした。

キャストは、主人公のハーバード大教授のロバート・ラングドン役にトム・ハンクス。
名実共にハリウッド指折りの大スターです。
んが、別にトム・ハンクスじゃなくても、誰でも良かった気がしますこの役。
ヒロインのオドレイ・トトゥは、相変わらず美しかったですけど。
それから、ポール・ベタニーは肉弾モンクのサイラスを妖しく演じていたり、
イアン・マッケランが飄々としながら知的でエスプリの効いた宗教学者のリーを
嬉々として演じていたり、脇役に実力派を配しただけに見ごたえがありました。
相変わらず、ブライアン・グレイザー&ロン・ハワードの映画ってのは、
脇役の配役は外さないので、
『アポロ13』『身代金』のゲイリー・シニーズ、『ビューティフル~』のポール・ベタニー、
 『シンデレラ・マン』のポール・ジアマッティなど)
そこは安心して観ることができましたね。
キャストに関しては、及第点だと思います。

ストーリーはスペシャルなようで平凡、キャストはまあまあ。
それで、肝心の演出ですが、やはりわたくし、この監督の映画はダメだ。
ダメっつったって、それなりには楽しめるんだけど、
どうしても「特別な映画」になり得ない・・・。
『アポロ13』は実直で好きでした。
でも、オスカーを獲った『ビューティフル・マインド』は、仕掛けは面白かったけど、
傑作とは思わなかったし、『シンデレラ・マン』も、前向きで愛国的すぎて鼻が曲がった。
この『ダ・ヴィンチ・コード』も、大ベストセラー、巨額の製作予算(広告費もね)、
そして安直な演出で、ただただ穴の無い映画を目指して作っただけに見えてしまった。
映像や演出で、ひとつたりとも驚きと感嘆が感じられなかった。
予告編を観たときの、自分の勘は当たってました。
僕にとっては、10点満点で6点くらいの映画でした。

(宗教というテーマを扱って、スキャンダラスな話題を振りまいたものの、
 映画そのものの演出や映像、演技などが凄くて、この映画とは逆に
 楽しめた映画に、メル・ギブソンが監督した『パッション』があります。
 残酷な描写が多くて万人向けではないですが、興味がある方はそちらもどうぞ。)

これだけの話題作、映画館に観に行った人もたくさんいたはず。
みんなが、チケット代分楽しめたらいいんですが・・・。
[PR]
by ginpei_chan | 2006-05-28 01:36 | 映画(た行)