ginpeichanが映画を観た感想をだらだらと。


by ginpei_chan
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2006年 06月 04日 ( 1 )

個人的には、現代の邦画界で一番好きな映画監督かもしれない、
是枝裕和監督の最新作は、うってかわっての時代劇!
『花よりもなほ』を観てきました。
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女優・江角マキコを開眼させたといっても過言ではない、長編映画デビュー作の『幻の光』
素人俳優を起用し、暖かいタッチで死後の世界を描いた傑作『ワンダフルライフ』
新興宗教の集団自殺で家族を失った人々の心の通いあいと、
教祖を父に持った青年の魂の彷徨をドキュメンタリータッチで美しく描いた『DISTANCE』
どれも忘れられない作品でした。
そして、一昨年、柳楽優弥にカンヌ映画祭史上最年少の主演男優賞をもたらし、
是枝監督の国際的な名声を決定づけた『誰も知らない』・・・。
ああ、一晩かけて部屋で鑑賞会を催したいほどいい映画ばかりです。
ARATA、伊勢谷友介、寺島進、夏川結衣、遠藤憲一、浅野忠信などの、
「是枝組」ともいえる俳優たちが素晴らしいのはもちろん、
素人やお笑い芸人などを積極的に起用する監督独自のキャスティングは、
もはや是枝監督にしかできない神業に達しているといっても過言ではないと思います。
『幻の光』で、まだほとんど無名だった江角マキコを主演に起用し、
『ワンダフルライフ』では、生前の思い出を語る死者たちに
素人を多く起用してリアリティと温かみを表現し、
また、谷啓にトランペットを持たせ、抜群の透明感を持つモデルのARATAを主演に、
鋭く力強い存在感を放つ、これもモデルの伊勢谷友介を助演に起用。
『DISTANCE』では、ARATAや伊勢谷友介を続いて起用した一方、
遠藤憲一の怪演が光っていました。

あ、是枝裕和リスペクトのあまり、ダラダラと過去の作品について語ってしまいました。(笑)
まあ、素晴らしい作家と素晴らしい役者、素晴らしいスタッフ。
3年に1本くらいの寡作な監督ですが、毎回いい作品を世に送り出してくれます。

で、今回は、コメディタッチの時代劇。
へっぴり侍が、信州・松本から父の仇討ちのために上京するが、
貧しく、貧民長屋で暮らすうちに、長屋の仲間たちと穏やかに慎ましく日々を送り、
美しい未亡人に恋をして、剣の腕もからっきしだった彼は、
次第に仇討ちをすることに疑問を持ち、自分の生き方を模索するようになる、というお話。
主人公の青木相左衛門に、今が旬真っ只中、日本邦画界屈指の美形俳優・岡田准一。
ヒロインに宮沢りえ、そして仇役には浅野忠信。
また、長屋の仲間に、古田新太、香川照之、田畑智子、上島竜兵、千原靖史、
キムキム兄やん、加瀬亮、平泉成、絵沢萌子、国村隼。
この長屋の仲間との生活の描写が、本編の大半を占めますが、
このメンツだからこその、いい意味で軽く、ポップでテンポのいい、
活き活きとした江戸時代の庶民の生活を覗き見ることができます。
主人公が、江戸の貧乏長屋の生活を通して学んでいく人生・・・。
立派なチャンバラシーンもないし、どことなくチョンマゲコントのような映画でもあるし、
きっと、派手な映画を期待して観ると、肩透かしを食うと思います。
でも、監督の、そして、キャスト皆が作り出す暖かい眼差し、その空気。
とても良かったです。
相左が悩んだ末に出した結論、彼なりの「仇討ち」、良かったですよ!
観終わった後に劇場を出るとき、前を歩いていたおばさん3人組が、
「もう、すぐに寝ちゃったわよ~」「寝ちゃったってことは、面白くなかったのよ」
「でしょ~?そうよね~面白くなかったわよね~」って言ってましたけど、
僕は、笑えてちょっとホロっとさせられて、幸せな2時間を過ごすことができましたよ。
こういう映画も観て、是枝監督の次の作品は、また『DISTANCE』『誰も知らない』の
路線の映画を観たくなってきました。(笑)
是枝監督、よろしくお願いします。
それから、この映画もとても良かったけど、
次は、岡田准一の、徹底的にカッコいい時代劇も見てみたいなあ。
そんなこんなでいい映画でした。8点です。
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by ginpei_chan | 2006-06-04 09:45 | 映画(は行)