ginpeichanが映画を観た感想をだらだらと。


by ginpei_chan
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カテゴリ:映画(か行)( 24 )

「不規則なものの中にも秩序はある」という、「カオス理論」をテーマにした
サスペンス・アクション、それが『カオス』
ジェイソン・ステイサムとライアン・フィリップのポリスメンが
ウェズリー・スナイプス演じる凶悪な知能犯に挑むという筋です。
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なるほど、話が二転三転していくし、誰が裏切り者なのか、誰が真犯人なのか。
そういうのが徐々に見えてくるあたりはなかなか面白かったです。
こういう映画をたくさん観ていると、なんとなくオチは読めてくるものですが、
まあ、それでも、伏線の張り方など上手いなあと唸ってしまいましたよ。
役者は、ライアン・フィリップもジェイソン・ステイサムも上手かったし、
なんといってもウェズリー・スナイプスは悪役が板に付いてますね!
ジェイソン・ステイサムとウェズリー・スナイプスのゴリゴリのアクション映画なんてのも
観てみたい気もしましたが、まあそれはまたの機会に期待しましょう。(笑)

観終わって、うん、なかなか面白かったんですが...
「カオス理論」はあまり関係無かったかなあ...(笑)
面白きゃなんでもいいんですけどね。
7点です。
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by ginpei_chan | 2007-05-11 19:14 | 映画(か行)
去年話題になった、イギリスのハートウォーミングコメディ『キンキー・ブーツ』を観ました。
経営に行き詰った古い靴工場が、ひょんなことから、
ドラッグクイーンの真っ赤でド派手なブーツを作ることになる...という物語です。
実話を基にした物語だそうです。
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出ている俳優さんや監督さんは全く知らない人たちばかりなのですが、
とても楽しく観ることができました。
ストーリーも、ただブーツを作って一発逆転!っていうだけじゃなくて、
田舎の頑固な職人さんたちの、ドラッグクイーンに対する偏見や、
それを捨てるまでの過程を描いていたり、
工場の若社長の成長物語でもあったり、
ドラッグクイーンはドラッグクイーンで悩みがあったり...と、
いろんな視点で観ることができるのも興味深かったです。

もちろん、ドラッグクイーンたちの歌やショーもとびきり面白かった!
歌とか、冷やかす観客に対するあしらい方とか、ひとつひとつが面白い。
同じ、イギリス産の『フル・モンティ』『ブラス!』と似ている感じもあるけど、
やっぱり、似ているとしても面白かった。
良質なコメディ映画でした。
8点です。
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by ginpei_chan | 2007-03-29 01:24 | 映画(か行)
「ティファニーで朝食を」を書いたことでも知られるアメリカの天才作家、
トルーマン・カポーティが傑作「冷血」を書いた数年間を描いた『カポーティ』
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幼馴染だという監督のベネット・ミラーと脚本のダン・ファターマン、
そしてこの作品でアカデミー賞主演男優賞を受賞したフィリップ・シーモア・ホフマンの
3人が作り上げた渾身のドラマです。

トルーマン・カポーティは、まさにアメリカ社交界で踊るセレブリティだった。
その彼が、新聞で、カンザス州の田舎町で起きた殺人事件の記事を目にし、
容疑者を取材し、雑誌に記事を寄稿しようと思いつく。
幼馴染みの作家で、後に「アラバマ物語」を書いたネル・ハーパー・リーと共に
カンザスを訪れた彼は、警察や住民、そして犯人の男を取材するうちに、
この事件にのめり込んでいくのだった…
というお話。

とにかくまず、カポーティを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの素晴らしいこと!
これまで、『ハード・エイト』『ブギーナイツ』『マグノリア』『パンチドランク・ラブ』
彼とも違う、『ハピネス』の彼とも違う、『コールド・マウンテン』とも違う、
『リプリー』とも違う、『レッド・ドラゴン』とも『MIⅢ』とも『25時』とも違う、
とにかく、これまでの作品とは違った、全く新しい彼を見ることができました!
声色、仕草、姿勢、全てが全く別人のようです。
聞けば、トルーマン・カポーティ本人もこういう感じだったそうで、
ここまで別人になりきる演技力に脱帽しました。
撮影が進んで、ノイローゼになってしまったということですが、
 それも何故か納得できる、まさに「神の領域」に近づいた仕事だったのかもしれません)
まさに、演技力については誰も疑う余地のない彼の、
ついに代表作が誕生したといっても過言ではない
と思います。

また、ネルを演じたキャスリン・キーナーも素晴らしかった。
びっくりするくらい老けていて、調べてみるとほぼノーメイクだったとか。
トルーマンを理解しようと努め、彼を支えながら、
彼の決定的な孤独に触れようと試みる友人・ネルを絶妙に演じていました。
それから、捜査を担当した州警の捜査官デューイ役にクリス・クーパーも良かったし、
犯人の一人、トルーマンが入れ込むペリー・スミス役のクリフトン・コリンズ・jr.も良かった。
ストーリーもビックリするくらいスリリングで面白かったのですが、
俳優たちがその面白さを100%引き出していましたね。


ストーリーに関しては、よくこの濃さが2時間で収まったな、と、
観終わった後感嘆しました。
恋人との生活もままならぬほど取材にのめり込んでいくトルーマン、
アメリカ文学史上に残る傑作になると確信しながら、
処刑が執行されないことには結末を書けない。
処刑が速やかに執行されることを望む作家としての自分と、
ペリー・スミスに惹き込まれている一人間としての自分の葛藤という
構図が抜群に面白く、その揺れ動く心を演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの神業!
もう、傑作ですよ、これは。
素晴らしい映画に出逢えた満足感でいっぱいです。
トルーマン・カポーティをリアルタイムで知らなかった僕でも、十二分に楽しめました。

俳優も、脚本も、撮影も音楽も、全て良かった。
フィリップはこの映画でオスカーを獲りましたが、なるほど納得しました。
他の候補の、『ブロークバック・マウンテン』のヒース・レジャーも、
『グッドナイト&グッドラック』のデヴィッド・ストラザーンも良かったんですけど、
さすがにこの映画のフィリップはそれを上回る出来だったなあ。

また、作品賞にもノミネートされたこの作品ですが、この年に受賞したのは『クラッシュ』
他の候補が『ミュンヘン』、『ブロークバック・マウンテン』、『グッドナイト&グッドラック』と、
この『カポーティ』だったんですが、全ての作品を観終わって、
「なんてレベルの高い争いだったんだろう!」と、今頃驚きましたよ。(笑)
でも、この『カポーティ』が、この年を代表する1本であっても
僕は何の不思議でもないです。

素晴らしい映画でした。
全く興味のない人には眠い映画かもしれないけど、僕はぐんぐん惹き込まれましたよ!
まさに傑作でした。9点です。
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by ginpei_chan | 2007-03-06 18:36 | 映画(か行)
ジョーニ・クルーニーが、『コンフェッション』以来2作目の監督に挑んだ、
骨太の社会派ドラマ『グッドナイト&グッドラック』
1950年代に吹き荒れた「赤狩り」の猛威の中、
真実を報道せんと、政治家・経営者に立ち向かった報道マンたちの姿を描きます。
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アカデミー賞で堂々作品賞にノミネートを受け、
エドワード・R・マローを演じた主演のデヴィッド・ストラザーンが主演男優賞に、
またジョーニ・クルーニーも監督賞にノミネート、
クルーニー自身は、助演男優賞部門で見事受賞!
『シリアナ』のCIA諜報員役でね)
日本ではあまり話題にならなかったけど、まさに去年のオスカーナイトは
ジョージ・クルーニー・ナイトといっても過言ではなかったのです!
(個人的には沸きましたよ!「ER」で初めて知ってから大ファンなのです)

ですが、まあ、日本ではあまりお客さんが入らなかったんだろうなあと思いますよ。
なにせ、主演のデヴィッド・ストラザーンは、日本ではビッグネームではなかったし、
テーマの「赤狩り」についても、日本人にはピンと来ない。
また、報道の自由に対して闘うというストーリーも、
安穏とした平成日本人には身近には感じられない問題でしょう。
しかし、いつの世も、洋の東西を問わず、
政治的圧力と闘う人々、自らの信念を貫き通す人々の物語は熱く胸を打つものです。
「報道の良心」と呼ばれ、政治家の圧力、会社の上層部、番組スポンサー、
右傾化したジャーナリズムと闘った人気報道記者のエド・マローを演じた
デヴィッド・ストラザーンは本当に素晴らしかったし、
脇を固めるジョージ・クルーニーの貫禄も充分!
ロバート・ダウニー・jrもカッコよかったですねえ...
私生活には問題ありそうだけど(笑)、いい役者さんです。

モノクロの、煙草の煙がスクリーンのこっち側まで漂ってきそうな映像に、
ジャジーな音楽、一片のスキも無いような緊迫感のある演出。
そして、多くの説明を省いたスピード感のある展開ながら、
日本人の観客である僕も、ちゃんとストーリーを押さえることができたので良かったです。
この映画、90分くらいで終わるんですけど、
こういう映画って、深く掘り下げようとしたら、どれだけでも深く、長くなると思います。
でも、余計な説明を省いて90分で一気に語りきる手腕に、心から拍手を送りたい!
...あれ?
最近、短い映画ばかり評価してる気がする...(爆)

でも、隙の無い、硬派でカッコいい映画でした!
日本人の俳優じゃあ、こんな映画作れないよなあ...
日本人の俳優って、こういう作品でも、もっと感情を出してしまうし、
女優なんて特に感情的に演じてしまいますよね。
その点、この映画のアンサンブル・キャストは素晴らしかった。
情熱臭くないからいい。だからカッコいいんです。
いいもん観ました。また、時間が経ってからもう一度観たいです。
だって、90分で観れるんだもん。(笑)
8.5点です。
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by ginpei_chan | 2007-02-16 14:53 | 映画(か行)
かねてから、前売り券を買って楽しみにしていた『こまねこ』を観てきました。
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主人公のこまちゃんや、その周囲の人々(動物たち?)の人形をほんの少しづつ動かして
撮影していくストップモーションアニメの手法で撮影されたアニメ映画です。
監督はNHK-BSの「どーもくん」のクリエイターである合田経郎。
こまちゃんは、自身で「こま撮り」をするねこちゃんということで、こまねこ。
自分で人形を作って、小道具や背景を描いて、絵コンテも描いて映画を撮ります。
その「こまねこ さいしょのいっぽ」を含めたいくつかのストーリーで構成された1時間。
とてもあたたかくて、かわいくて、楽しいひとときでした。
チケット代も1,300円で、僕は前売り券を買っていたので1,000円。
お得な気分です。(笑)
パペットアニメの製作は、途方も無い時間と苦労が要る大変な仕事だと思うけど、
セルアニメやCGアニメとは違うキャラクターの動きが独特で、
作り手の思いや愛情の深さが伝わってくるようで好きなのです。
昨年の『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』や、
一昨年の『コープス・ブライド』など、CGアニメ全盛の時代にも
まだまだ健在で嬉しい限りです。
そう、そして、日本には『こまねこ』あり!ってコトで。(笑)
8点です。
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by ginpei_chan | 2007-01-24 19:54 | 映画(か行)
ミヒャエル・ハネケの新作にして、カンヌで監督賞を受賞した、『隠された記憶』を鑑賞。
ミヒャエル・ハネケといえば、僕は、過去に
『ファニーゲーム』と『ピアニスト』を鑑賞済みなのですが、
まあこの2作品もかなりの曲者でしたねえ。
『ファニーゲーム』は、もう胸クソ悪くなること山の如しでしたわ。
特にスプラッタな場面は無いんですが、そんじょそこらのホラー映画よりもよっぽど怖い。
そして、ハンパねえ(by東京の漫才師)くらい後味が悪い。
あんなに後味の悪い映画は記憶に浮かばないくらい。
『ピアニスト』は『ピアニスト』で、美しさと醜さの混在したとても不思議な映画で、
しかしやはりどこか心を揺り動かされたまま鑑賞し、
衝撃のラストシーンでまた僕は低く呻く。(笑)
なんなんでしょうね、このハネケって人。
...まあ、映画監督なんですけど。(笑)

ともかく、『隠された記憶』
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次々と送られてくるビデオテープに怯える夫婦。
彼らを脅すのは誰?そして、犯人の真意とは?

いやあ、しかし、脅迫される人々の不安感と焦燥感をじっくりねっとりと炙り出し、
そして、ハネケお得意の衝撃的なシーンもちゃーんとご用意。
ある意味しっかりと「ハネケ節」、しかし今まで以上に考えさせられた作品でした。
子供の頃の過ちを、加害者側はどれだけ憶えているか?
それを深刻に受け止めているのか?
被害者側は、どれだけ積年の恨みを積もらせているものなのか?
僕の大好きな『オールド・ボーイ』にも似た筋でしたね。
そして、フランス人の中に潜んでいるアルジェリア人への差別意識。
うーん、やはり辛い話ではありましたねえ...

まあ、そういう小難しい話はヌキにしても、スリラーとして充分に面白かったですね。
真犯人は誰か?その真の目的は?という謎解きが、難解でしたが面白かったな。
そして、衝撃のラストシーン!
アイツとアイツがまさか知り合いだった?共犯者?ええーっ!
...というところで終わっちゃうのですが(笑)、そういう終わり方もハネケらしいですね。
明確なラストを提示しないのは彼の常套手段です。
こういう後味の悪さを前向きに楽しむのも、ハネケ映画を楽しむコツですね。(笑)
この映画、前向きに向き合わないと眠くなるかもしれませんし。(笑)

まあ、ハネケらしい後味の悪さ、そしてじっとり怖くなる演出、なかなかの作品でした。
主人公の夫婦のふたり以外の人間が、全員何を考えてるのか分からないような
恐怖感というのも凄いですよ。何が怖いって、人間が怖い。うん。
久々に、「スリラー」という言葉がピッタリくるような映画ですね。
なかなか面白かったです。8点。
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by ginpei_chan | 2007-01-06 14:43 | 映画(か行)
チェ・ミンシクがボクサー役に挑んだ『クライング・フィスト』を観ました。
崩壊しかけた人生を取り戻そうとカムバックする中年男と、
初めて打ち込んだボクシングで這い上がって親孝行しようとする若者の魂の交差。
カンヌで国際批評家連盟賞を受賞。
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この映画、チェ・ミンシク演じる中年男と、
監督リュ・スンワンの弟であるリュ・スンボム演じる若者のそれぞれの人生が、
ラストシーンまで全く交錯することなく描かれているのがまず面白い。
全く違う人生を歩む男たちを交互に描き、ラストに交差させる。
また、チェ・ミンシクのやさぐれ男も板についているし、
リュ・スンボムのワルぶりは不気味で怖いくらい。
それぞれ頑張っていましたね。
そして、ラストの二人の試合は物凄い迫力!
たぶん、ボクシングとしては粗すぎて、そういうリアリティは無いんだけど、
どつきあい、殴り合い、魂のぶつかり合いがよく表現されていました。
暴力的な描写やその精神性に理解ができない部分もあり、
この映画を完全には好きになれない自分がいるんだけど、
でも、ラストの試合は良かったなあ。大迫力でした。
そのラストを目撃するために、2時間頑張って観てほしいと思う映画です。
8点。
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by ginpei_chan | 2006-12-25 15:06 | 映画(か行)
スロームービーキャンペーン第2弾、『かもめ食堂』を鑑賞しました。(笑)
『バーバー吉野』を撮った荻上直子さんが監督。
出演は、小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、それに現地フィンランドの俳優さんたち。

フィンランドの首都ヘルシンキに、小さな食堂「かもめ食堂」がオープンした。
店にはいつも、店主の日本人サチエ(小林聡美)の姿だけ。
現地の人々は、外から眺めて冷やかすだけ。
そんな店に、日本オタクの青年トンミや、特にあてもなく旅をしに来た
日本人のミドリ(片桐はいり)などが訪れ、次第ににぎやかになっていく。
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うーん、素晴らしい。
いや、何も起きないんですよ。
何も起きなくて、とってもスローな映画なんだけど、それが素晴らしい。
ほんと、起承転結というわけでもなく、ただ、ほんの小さな出来事がいくつか起こって、
で、ふと気づいたら終わっちゃう。(笑)
でも、とても居心地のいい2時間を過ごすことができる。
主人公サチエの作り出す、凛としていてまっすぐな佇まいが、
彼女の「かもめ食堂」と、そしてこの映画『かもめ食堂』を、
とても居心地のいい空間にしてくれているんだと思います。

「かもめ食堂」の客席も、キッチンも、おにぎりや定食などの食べ物も、
たまに映るフィンランドの街並みも、なんか全てが居心地がいい。
うん、どこをとっても「居心地がいい」映画になっています。
刺激に慣れ過ぎた僕らの脳に最適な、一服の清涼剤的な映画です。
でも、今年観た映画のリストの中にこれが一本入っていると、
清涼剤以上の存在感を醸し出すんだからそれもまた面白い。
なんか、ふと、また観たくなっちゃうんだろうなあ。この映画。

ちょっと褒めすぎだけど(笑)、すごーく良かった。観てよかった。
とてもシアワセな気分。
リラックマ的に言うと、「あくせくしたってはじまりませんぜー」ですわ。ホントに。
9点を捧げます。
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by ginpei_chan | 2006-12-08 15:10 | 映画(か行)
久しぶりにレンタルのDVDを観ました。
ある盲導犬の一生を描いた原作「盲導犬クイールの一生」の映画化、『クイール』
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のちの盲導犬となるクイールの、誕生からその生涯を閉じるまでの物語です。
いくつもの出会いと別れ、その周囲の人々を描いています。
監督は崔洋一。出演も椎名桔平、小林薫、戸田恵子、香川照之、寺島しのぶと豪華。

なるほど、犬の物語なのでとてもかわいいし、
とても忠実で賢く、訓練された「盲導犬」のお話なので、とても感心させられます。
本編も、一匹の犬が生まれ、訓練を受け、盲導犬として働くまでの過程を
紹介するような作りになっているので、勉強にもなります。
それが、一匹の犬に焦点を当てているので、感情移入もしやすいですし。
うまい構成だなあと思いました。

でも、この映画、感心することは多いんですが、それほど感動できなかったですねえ。
ある盲導犬の物語ではありますが、それがなぜ「クイール」じゃなきゃいけなかったのか。
クイールはそれほど特別な犬なのか。
もちろん、盲導犬として訓練を受け、視力を失った人の役にたったわけですから、
とても偉い犬であることは間違いないんですけれども、
敢えてクイールという実在の盲導犬をテーマに絞った意図はあまり分からなかった。
この映画、盲導犬の普及や周知のための教材に使われるのであればいいと思います。
(それでも、まだまだ説明不十分なところはあるけれども、悪い話じゃないしね)
でも、涙!感動!雨あられ!という映画でもなかったと思う。
僕個人にとっては、とても無難に作られた映画という域を出なかった。
6点。

なお、完全に蛇足ですが、舞台にもなった京都府亀岡市の盲導犬訓練センター、
大学のときに一度足を運ぶ機会がありました。
といっても、与えられた機会に行くことができなかったのですが。
大学のときに、僕がやってたクラブ(ボランティアとかやってた)を支援してくれていた
ボランティア団体が、盲導犬訓練センターの支援も行っていて、
一度センターに行ってみないかと誘われたのです。
都合で行けなかったのですが、行ってみたかったなーと思っていました。
映画を観て、ああいうところなんだなあとよく分かりました。
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by ginpei_chan | 2006-10-06 12:37 | 映画(か行)
さて、待ちに待ったポン・ジュノ監督の最新作にして、
現在韓国で観客動員記録を更新している真っ最中という超話題作、
『グエムル 漢江の怪物』を鑑賞して参りました!
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(今回はちょっとネタバレありでお送りします・・・)

監督は、『ほえる犬は噛まない』『殺人の追憶』のポン・ジュノ。
なんだか、最近は「韓国のスピルバーグ」とか言われているとか。
その喩えが正しいのかどうかは別として、とても面白い映画を作る監督ではあります。
そのポン・ジュノ監督が、長編3作目に選んだのは「怪物映画」でした。
怪物映画なんて、映画館に観に行くのはいつ以来だろう・・・
もしかして生来初めてかもしれない、映画館での怪物映画
(『ゴジラ』とか、意外と映画館で観てなかったりする・・・)

韓国一大きく、美しく、たおやかに流れる漢江。
その川岸で小さな売店を営んでいたダメオヤジのカンドゥの目の前に、
突如として怪物(韓国語でグエムルというらしい)が現れ、
一人娘のヒョンソをさらっていった!
カンドゥは、政府や軍、さらには米軍の思惑に翻弄されながらも、
父のヒボン、妹のナムジュ、弟のナミルと共に、
グエムルにさらわれたヒョンソを助け出すために奔走する。

カンドゥを演じたのは、『殺人の追憶』でも主演し、
『シュリ』『JSA』『南極日誌』『大統領の理髪師』『復讐者の憐れみを』など、
シリアスからコメディまで圧倒的な演技力と存在感で演じ分けるソン・ガンホ。
個人的には、チェ・ミンシクと並んで、韓国映画俳優の至宝であり、
愛すべき僕のヒーロー“ガンちゃん”です。
もう、この映画でも、まるまると肥え太って、徹底的にダメオヤジっぷりを発揮!
父のヒボンとふたりのシーンが多い本編前半では、笑いが止まりませんでした!
ガンちゃんはコチラ↓
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その父・ヒボンは、ピョン・ヒボンなる俳優さんが演じていますが、
もうそのトボケた雰囲気といい、演技の間といい、素晴らしい俳優さんでした。
『ほえる犬は噛まない』にも出ていたらしいけど・・・どの人だっけ?(笑)
絶妙なコメディ演技、ピョン爺はコチラ↓
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カンドゥの妹・ナムジュ役は、もうおなじみペ・ドゥナちゃんです。
『ほえる犬は噛まない』で鮮烈なデビューを果たし、
『復讐者で憐れみを』では魅力的なフルヌードを披露し、
邦画『リンダリンダリンダ』にも出演する、韓国を代表する若手人気女優さん。
この映画では、ツメの甘いアーチェリー選手役なんですけど、
髪の毛はほとんどボサボサだし、そのキレイなお顔も汚れてるしで・・・
でも、きっちりとキメシーンも用意されていてカッコよかったです。
ほんっと、いい役者さんですドゥナちゃん。
日本の女優さんにはなかなか例えることのできない魅力的なコですよね。
荷馬車には揺られないドゥナドゥナはコチラ↓
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カンドゥの弟・ナミルにはパク・ヘイル。
どっかで見たことあるんだけどなあ・・・と思って調べてみると、
『殺人の追憶』の容疑者役でした。
手元にDVDがあるので、後で観てみよう。
父・ヒボンが、苦労して大学まで出させてやったものの、
当の本人は、民主化運動のデモに夢中で、
卒業してもフリーターという親泣かせの次男坊です。
一歩間違えばニート、ギリギリのフリーター・ナミルはコチラ↓
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そして、物語の重要なカギとなる、カンドゥの一人娘・ヒョンソを演じたのは、
若干中学生のコ・アソンちゃん。
祖父と父に溺愛されるが、それがちょっと鬱陶しくも感じている普通の女の子。
スクリーンに現れた当初は、なんとも思っていなかったんだけど、
いやあこのコがどんどん可愛くなっていく。ほんとビックリ。
いや、事実、この子は本編のほとんどを、泥だらけの姿で、
殺風景なコンクリートに囲まれた部屋で過ごすんですけど、
そんなことが全然気にならなくくらい、かわいくて魅力的になる。
監督の演出もあるんだろうけど、本人の魅力によるところも大きいんだろうなあ。
まだキレイな頃のアソンちゃんはコチラ↓ 汚いアソンちゃんは劇場でご確認を。
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と、キャストについてはそんなところ。
あとは、重要なキャストといえば、怪物(グエムル)なんですけど、
これはほとんどCGなんでしょうねえ。
どうやら、『ROTR』などのスタッフが製作しているらしいんですけど、
予算の関係か、ちょっとチープなところが目に付きました。
ただ、それを気にしなければ充分面白いキャラクターだったし、
なんといっても、日本映画の顔役ガッズィーラなどと違い、
その大きさといっても、カバかゾウくらいのもの。
そんなクリーチャーが、シッポをうまく使ってアクロバットを見せるかと思いきや、
漢江を悠々と泳ぎまわり、そして川岸の斜面でスッ転ぶ!(爆)
なんとも憎めないヤツです。(笑)

ほんと、キャストに関してはこんなところ。
とにかく、カンドゥの家族が、ヒョンソ奪還のため、凶暴な怪物に戦いを挑む物語です。
もちろん、政府や米軍などのそれぞれの思惑が絡んだ裏話などもありますが、
それ以上のものはなく、とにかくダメ家族vs怪物の映画なのであります。
この物語の構成がとても潔くて面白かったな!
まるで、怪物が、この家族のために造られたかのような存在なんだもん。(笑)
また、その怪物の登場シーンで大爆笑!
画面の向こうから走ってやってくるのです。(思い出しただけで爆)
なんか、「さあ、来るぞ来るぞ来るぞ!」的なヒキもなく、
アッサリとその姿を現す怪物くんに呆気にとられてしまいやした。

まあ、この映画、キャストも怪物も魅力的なんですけど、
そういった、従来の怪獣映画の文法を覆した演出がとても面白い。
だいたい、怪物と対峙するのがアンチ・ヒーロー的なダメ家族だし、
どいつもこいつも、キメなきゃならないときにキメられない。
しかし、演出では、スローモーションにしたりアップにしたりして煽っちゃうし。
そういう、緩急自在の演出にすっかりヤラレちゃいました。

物語も簡潔だし、演出もとても面白いし、こりゃあヒットするわなあ。
なんて考えつつ、物語はラストへ。
ラストシーンは・・・うーむ。
『殺人の追憶』と同じく、明瞭な答えを用意しませんでしたねポン・ジュノ。
このラストシーンは賛否両論ありそうだなあ。
僕は、このラストもアリだとは思うけど、もう「一方のラスト」を観たかった。やっぱり。
でも、ほんとに映画を観たっ!っていう見ごたえを残してくれました。
恐るべしポン・ジュノ。
娯楽大作であり、怪獣映画であり、コメディでありシリアスドラマであり。
こういうミクスチャームービーってのは、作り方によってはすごく中途半端なものに
なっちゃうと思うんだけど、この映画の場合、
その全てが、ひとつとして欠けてはいけない要素として
見事なバランスで拮抗し合っていた感があります。
そして、いい映画を観た後によく思うことだけど、
きっと、日本ではこんな映画を作れなかったんだろうなとも思うのであります。

そんなこんなで、見事なエンターテイメント・ムービーでした。9点。
賛否両論あるのも頷けるし、ちょっとでも面白くなかったらけなしてやろうと思ってた。(笑)
でも、面白かったです。うん。

ちなみに。
ポン・ジュノって、やっぱりドロップキックが好きなのね。(笑)
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by ginpei_chan | 2006-09-07 04:05 | 映画(か行)