ginpeichanが映画を観た感想をだらだらと。


by ginpei_chan
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『かもめ食堂』のスタッフ、キャストが再結集した『めがね』を観ました。
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監督は荻上直子、主演は小林聡美。
共演はもたいまさこ、光石研、市川実日子、加瀬亮、薬師丸ひろ子。

そうですねぇ、面白かったです。
相変わらず、『かもめ食堂』のようなユル~い感じで。
水曜日に観に行ったからか、女性客が多かったんだけど、
劇場には、奥さんの付き添いなのか、男性客もちらほら。
でも、途中でオッサンの大きないびきが聞こえてきたり、
僕のちょうど斜め後ろのオッサンは、途中から飽きたのかずっとそわそわ動くし。
男性客にはちょっと退屈な映画だったかもしれません。
僕は、睡眠もバッチリで臨んだので、(笑)
最後までユル~い世界に浸って楽しむことができましたよ。

前作ともいえる『かもめ食堂』との違いをいうと、
今回は、主演の小林聡美さんの映画というよりは、
もたいまさこさんの映画だったかな、と。
より彼女のキャラクター、存在感、たたずまいに焦点が当たっていたように感じました。
それから、前作では「何も起きない」ことが良かったように思えたのですが、
今回は最初から、主役のタエコ(小林聡美)の旅の目的や、
もたいさんの謎、タエコとヨモギ(加瀬亮)の関係など、
いろいろ謎な部分を観客に与えながらの進行だったなあ。
なので、妙に考えさせる余地があって、
若干それが邪魔に感じました。
あの、『かもめ食堂』の、考える余地もなく、シンプルで、
それでいて何も起きないまま進行して終わっていく感じを期待していたので
それはちょっと肩透かしを食らいました。

あと、もたいさんのメルシー体操、作りこまれててすごく面白かった。
若干狙いすぎな感もするのですが、なんかやってみたくなる。(笑)

それから、今回も、スクリーンにたくさんの食べ物が登場。
与論島を舞台にしているわりには、ヘンに南国風の食べ物を登場させずに
ほんとにありきたりの食事をたくさん映していたのに感心しました。
どれも美味しそうで、前作に続いて楽しめた部分ですね。
単なる消え物に終わらない、存在感のある登場人物って感じです。

あと、とても目を引いたのが、カメラの構図ですね。
僕は、全然専門的なことなんて分からないんだけど、
たまに、すごく抜群に惹かれる構図があるんです。
カメラがどこを写していて、どこに人物が配置されてて、という。
「ハマダ」の食堂や、浜辺のサクラさんの氷屋さん、
それが長回しになっていたりするんだけど、
ドキッとするくらいスクリーンに目が奪われる。
そんなシーンがいくつかあって、素晴らしいなと思いました。

それと、撮影に関しては、奇跡的にも思えたコージ(犬です(笑))の演出。
なんか、それとなく、スクリーンの端に現れて、ちょっと見切れたり、
ちょこちょこと現れては歩いて消えていったり、
本編とは関係ないんだけど、可笑しくて笑ってしまいました。(笑)
きっと、犬なんだし、狙って演出したのではないと思うんだけど、
奇跡的に楽しかったなあ。

南国の海や島の景色も美しく、のどかでゆる~い雰囲気。
穏やかな気持ちになれる作品です。
僕は前作『かもめ食堂』は傑作だと思っているので、
それにはちょっと及ばないけど、楽しい作品でした。
8点。

映画を観終わってから...毎朝梅干を食べてます。(笑)
「梅はその日の難逃れ」ってね♪
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by ginpei_chan | 2007-09-28 10:39 | 映画(ま行)
キムタク主演のTVドラマが、満を持してスクリーンに登場!の『HERO』
大ヒット公開中でございます。

...あ、なんか適当な画像が無かったので、テキストのみでご勘弁を。(笑)

実は僕、TVドラマのほうは全然見たことなかったんですよ。
なんとなく、雑誌とかネットとかで、話の感じは知っていたんですけど。
型破りな検事のキムタクとその事務官松たか子、
それから検察の同僚の面々が織りなすちょい軽妙でな検察ドラマなワケですね。

そんなワケで、僕はドラマを見ていなかったんですが、
結果的にはそれなりに楽しめました。
やはり、キャストがみな芸達者なので、その息のあった演技や
検察内部のカメラワークや演技のテンポを見るだけでも楽しいし、
ストーリーも「そんなうまくいくワケねーだろー」とツッコミたくなるものの
こういう映画なんだもの、ご都合主義でもいっか的に許したくなりましたね。(笑)
イ・ビョンホンを無理矢理押し込んだような韓国ロケも
なんだかとってつけたような感じがしないでもないですが、
まあ、もう映画なんだからお祭り騒ぎでなんでもござれだ!(爆)

あ、そうそう、ラストシーンは試写会が催されていたあたりから話題でしたけど、
けっこうベタっちゃあベタな演出だけど、いいシーンっちゃあいいシーンでしたね。
話題性は充分かも。
TVドラマのファンの方々にとっては、そんなに衝撃的な展開だったのかな?
僕はそのへんのバックボーンが無いまま観てしまったので分かりませんが。(笑)

まあ、フジのドラマ→映画化の作品ってことで、
たぶん『踊る大捜査線』シリーズ同様、2回目を観たくなるようなモンではないでしょうが、
映画館に行ってチケットを買って、それなりに2時間楽しく過ごせました。
ちょっと、TVドラマを1話目から見たくなっちゃったよ。(笑)
8点です。
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by ginpei_chan | 2007-09-14 09:13 | 映画(は行)
さて、この春の注目作、『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
ベストセラーが原作ということで、物語には期待しちゃいます。
キャストも、オダギリジョー、樹木希林、小林薫、松たか子、内田也哉子...
監督が松岡錠司ってトコが、個人的には不安だったんですけどね...(笑)
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ともかく、ストーリー、僕は原作を読んだことがないので、
原作とどれほど違うのかは分かりませんけど、とても良かったですね。
ントに、「オカンと、ボクと、時々、オトン」の話なんやなあと感心。(笑)
昭和という時代観と炭鉱町を背景に描かれた、「ボク」の幼少期と
「オカン」の若かりし頃のエピソードが特に印象的でした。
「ボク」が大人になり、「オカン」を東京に呼んで一緒に暮らすあたりもいいんですけどね。
しかし、全編通して、「普通の親子の物語」だったのが一番の驚きでした。
数奇な運命を辿るでもなく、有名人の物語でもなく、
市井の親子の親子愛の物語というのが特に観客の胸を打つのではないでしょうか。
ヘンに特別なストーリーじゃなかったことが、かえって共感を覚えましたね。

キャストも素晴らしかったです。
皆素晴らしかったんですが、僕が特に良かったなあと思うのが内田也哉子。
こんなに似てていいものか!と思うくらい
樹木希林さんに似ていましたねえ。
ああ、30年前にいたんだろうなあ、と思わせる独特の顔立ちと佇まいが絶品でした。
もちろん、オダギリジョーも小林薫も、松たか子もみんな良かった。
このキャスティングで、ある程度の成功は約束されたようなモンですが、
それでも、それを活かし切った原作と脚本も素晴らしかったですね。
ほぼ言うこと無し!の良作でした。8.5点。
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by ginpei_chan | 2007-05-10 06:42 | 映画(た行)
今年の米アカデミー賞...
レオナルド・ディカプリオが主演男優賞、ジャイモン・フンスーが助演男優賞にノミネート。
また、作品賞にもノミネートされた『ブラッド・ダイヤモンド』
激しいアクションとシリアスなドラマが絡み合ったなかなかの作品でした。
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当初、この映画の製作に関する記事を目にしたときは、
ディカプリオ主演のアクション映画、というくらいにしか認識していなかったのですが、
まあ、ディカプリオのスター映画かな~と思って見てみたら、
どうしてなかなか、重厚なストーリーでビックリしました。
西アフリカのシエラレオネで、内戦に巻き込まれ家族と離れ離れになった漁師が、
軍事組織に捕えられてダイヤモンドの採掘場で強制労働...
世界でも非常に稀少で大きな最高級のダイヤモンド「ピンク・ダイヤモンド」を発見する。
それを聞きつけたのは、白人のダイヤモンド密輸業者。
ダイヤモンドを隠した漁師をうまく出し抜いて、ダイヤモンドを横取りしようと企む。
そして、内戦のさなかのシエラレオネで暗躍する密売業者と軍事組織の癒着、
そこから欧州の宝石会社へのダイヤモンドの流れを取材していた
アメリカ人ジャーナリストが二人を追う。

このダイヤモンドについての話は、事実に基づいたものだというから驚きだ。
しかも、内戦で暴れ狂う軍事組織の悪行についても、
事実に基づいた話だというからもっと驚きです。
(ナタで腕を切り落とす、少年兵を育てる、などなど)
そんな、事実に基づいたエピソードを交えながら、
シリアスなテーマをハデなアクションで魅せるという、
いかにもハリウッド的社会派映画でした。
そこに、主人公3人それぞれにもテーマを持たせていて、見ごたえも3倍!
というくらいにスリリングで深みがあって面白い。
その演出と構成に関しては、監督をはじめ製作陣の勝利でしょう。

キャストに関しては、アカデミー賞でも二人ノミネートされたけど、
それはそれ相応に素晴らしかったです。
アフリカの内乱の小国を暗躍し、しかしアフリカという赤砂の土地に囚われる
自らのアイデンティティに苦しむ密輸業者をディカプリオが好演!
役柄の設定も複雑で興味深かったんですが、それを見事に演じきりましたね。
また、暴力によるカオスのさなかを、離れ離れになった家族と再会するために
生命を賭けて奔走する父親をジャイモン・フンスーが迫真の演技で体現。
観終わった人は誰しも思うことかもしれないけど、
映画の本当の主役はこの人なんですよね。
父であり、夫であり、一人の漁師であり、
その男が駆け抜けた地獄がこのシエラレオネであり、『ブラッド・ダイヤモンド』でした。
ジャーナリスト役のジェニファー・コネリーもこういうテーマによくマッチしていたし、
キャストに関しては本当に良かったですね。

まあ、あまり褒めすぎてもアレなんですけど、ちょっとだけ苦言。
ダニー・アーチャー(ディカプリオ)とソロモン・バンディー(フンスー)の二人が
銃弾の雨の中を、その足で、車で駆け抜けるわけですが、
もちろん主人公の二人ですから、銃弾は当たりません。
その代わりといっちゃあなんですが、二人以外の人々には面白いくらいに当たります。
頭から脚からブチ抜かれていくんですが、二人には当たりません。
まあ、アクションシーンは大迫力なんですが、ちょっとシラケる描写ではあります。
なので、いい意味でも悪い意味でもハリウッド映画
っぽかったなあ、と思うのです。
いい作品なんですよね。惜しいなあ。
でも、『ホテル・ルワンダ』同様、僕らがアフリカをどう見て、どう利用してきたか
勉強するのにはいい作品なのかもしれません。
話題のドキュメンタリー『ダーウィンの悪夢』とかもそういう物語らしいですし。
面白かったです。8点。
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by ginpei_chan | 2007-04-26 18:40 | 映画(は行)
「人生に一度だけ、誰にでも運命の休暇がある。」という映画、『ホリデイ』
ナンシー・メイヤーズという最近よく聞く名前の女性監督がメガホンをとり、
キャメロン・ディアスとケイト・ウィンスレットという2人の女性を主人公に据えた作品です。
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カリフォルニアで映画の予告編製作会社を営むアマンダと、
新聞でコラムを書く記者で、ロンドン郊外に住むアイリス。
二人の共通点は、失恋したばかりだということ。
アマンダとアイリスは、「ホームエクスチェンジ」で、
2週間だけお互いの家や車を交換して休暇を楽しむことにした―。
という、ラブロマンスでコメディでハートウォーミングなドラマです。

話の筋はとても分かりやすいし、一部クソ野郎も登場しますが、(笑)
基本的に登場人物全員が善人なので、観ていてホッとする映画です。
キャメロン・ディアスもケイト・ウィンスレットも魅力的で、
彼女たちには、きっと女性ならば誰でも共感できると思うし、
観ていて、誰もがアイリスで、誰もがアマンダで、いいストーリーだと思いました。
アマンダは、アイリスの家で、アイリスの兄グレアムと出会い、恋に落ち、
アイリスは、アマンダの家で、アマンダの友人マイルズと出会い、恋に落ちる。
分かりやすすぎるほど分かりやすいストーリーだなあ。
でも、グレアムを演じたジュード・ロウも、マイルズを演じたジャック・ブラックも
とても良かったし、キャストに関してはまったくハズしてなかったですね。
ジャック・ブラックはいつもよりは控えめなパフォーマンスで、
それは若干残念ではあったんですが。(笑)

すごく特別な映画!というわけではなかったけれども、デートで観るのには最適だと思うし、
誰も傷つけない物語なので、誰にでも勧められる。
そして、ちょっとした深みもあって、ホロリとさせられる。
そんな、人畜無害のハートウォーミングムービーでした。
7点ってところでしょうか。
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by ginpei_chan | 2007-03-25 22:11 | 映画(は行)
ジョニー・デップ、酒と泪と男と女。『リバティーン』です。
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17世紀の英国で、国王の寵愛を受けた詩人ロチェスター伯爵=ジョン・ウィルモット。
もう何年もシラフでいたことがなく、時を場所を選ばず女を抱く。
そんな放蕩者=リバティーンの生涯の物語です。

コスチュームプレイの映画を観るのは久しぶりで、新鮮でしたね。
たまにはこういう映画もいいものです。(笑)
酒も女も“食べ飲み放題”のジョンを演じたジョニー・デップ、やはり良かったですね。
キモは、映画後半の彼が病に侵されてから。
特殊メイクのおかげでもあるんですが、いい演技を見せてくれました。
ヒロインはサマンサ・モートン。相変わらずいい演技をしますね。
芯が強くて、吸い込まれるような大きな目で、
目のやり場に困るような大きなおっぱいで。(笑)
国王リチャード2世を演じたのはジョン・マルコヴィッチ。
うーん。あまり、彼が飛びぬけて目立つような映画じゃなかったかな...
特に見どころ無し。残念。
他にも、ジョンの妻を演じたロザムンド・パイクという女優さんが良かったですね。
彼女が一番の収穫かも。

ストーリーは、どこか、レオナルド・ディカプリオがアルトゥール・ランボーを演じた
『太陽と月に背いて』に似てたかな...
傍若無人、エゴの塊のような芸術家が愛欲に生き、次第に身を滅ぼすという。
物語の筋としては、特に目新しいものはありませんでした。
ただ、キャストはジョニー・デップをはじめそれなりに良かったので、
最後まで面白く観れたのかな。
僕が面白かった!と感じたのは、オープニングとエンディングのジョンのモノローグ。
これがカッコいいんだ。この映画の見どころといってもいいんじゃないかな?
ネタバレしちゃうと、このモノローグがオープニングだけじゃなくて最後にもあるので、
ぜひ、観始めた人は最後まで観て欲しい。
モノローグのシーンで流れる音楽もすごく良くて、
思えばこの作品、全般的に音楽はいいんだけど、
エンドロールでなるほど納得、マイケル・ナイマンでした。

コスチュームプレイの衣装や小道具、美術、
それに映像も、音楽も印象的だし、俳優もなかなかのもの。
ジョニー・デップが好きな人は楽しめるだろうし、
コスチュームプレイが好きな人も楽しめると思う。
ただ、こういう映画が決定的にダメな人もいると思うので、
若干観る人を選ぶ映画かな...とは思いました。
結局のところ、オンリーワンな映画かというと、そういう気はしないし、
かなり過激な放蕩者の話かと期待して見たら、僕的には大したことなかった。
あまり刺激的ではなく、そのへんは期待以下だったので、ちょっと残念だったかな...
妙に観やすくて、カタルシス不足に陥っちゃいましたよ。(笑)
全般的によかったと思うけど、7点です。
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by ginpei_chan | 2007-03-10 16:27 | 映画(ら行)
「ティファニーで朝食を」を書いたことでも知られるアメリカの天才作家、
トルーマン・カポーティが傑作「冷血」を書いた数年間を描いた『カポーティ』
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幼馴染だという監督のベネット・ミラーと脚本のダン・ファターマン、
そしてこの作品でアカデミー賞主演男優賞を受賞したフィリップ・シーモア・ホフマンの
3人が作り上げた渾身のドラマです。

トルーマン・カポーティは、まさにアメリカ社交界で踊るセレブリティだった。
その彼が、新聞で、カンザス州の田舎町で起きた殺人事件の記事を目にし、
容疑者を取材し、雑誌に記事を寄稿しようと思いつく。
幼馴染みの作家で、後に「アラバマ物語」を書いたネル・ハーパー・リーと共に
カンザスを訪れた彼は、警察や住民、そして犯人の男を取材するうちに、
この事件にのめり込んでいくのだった…
というお話。

とにかくまず、カポーティを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの素晴らしいこと!
これまで、『ハード・エイト』『ブギーナイツ』『マグノリア』『パンチドランク・ラブ』
彼とも違う、『ハピネス』の彼とも違う、『コールド・マウンテン』とも違う、
『リプリー』とも違う、『レッド・ドラゴン』とも『MIⅢ』とも『25時』とも違う、
とにかく、これまでの作品とは違った、全く新しい彼を見ることができました!
声色、仕草、姿勢、全てが全く別人のようです。
聞けば、トルーマン・カポーティ本人もこういう感じだったそうで、
ここまで別人になりきる演技力に脱帽しました。
撮影が進んで、ノイローゼになってしまったということですが、
 それも何故か納得できる、まさに「神の領域」に近づいた仕事だったのかもしれません)
まさに、演技力については誰も疑う余地のない彼の、
ついに代表作が誕生したといっても過言ではない
と思います。

また、ネルを演じたキャスリン・キーナーも素晴らしかった。
びっくりするくらい老けていて、調べてみるとほぼノーメイクだったとか。
トルーマンを理解しようと努め、彼を支えながら、
彼の決定的な孤独に触れようと試みる友人・ネルを絶妙に演じていました。
それから、捜査を担当した州警の捜査官デューイ役にクリス・クーパーも良かったし、
犯人の一人、トルーマンが入れ込むペリー・スミス役のクリフトン・コリンズ・jr.も良かった。
ストーリーもビックリするくらいスリリングで面白かったのですが、
俳優たちがその面白さを100%引き出していましたね。


ストーリーに関しては、よくこの濃さが2時間で収まったな、と、
観終わった後感嘆しました。
恋人との生活もままならぬほど取材にのめり込んでいくトルーマン、
アメリカ文学史上に残る傑作になると確信しながら、
処刑が執行されないことには結末を書けない。
処刑が速やかに執行されることを望む作家としての自分と、
ペリー・スミスに惹き込まれている一人間としての自分の葛藤という
構図が抜群に面白く、その揺れ動く心を演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの神業!
もう、傑作ですよ、これは。
素晴らしい映画に出逢えた満足感でいっぱいです。
トルーマン・カポーティをリアルタイムで知らなかった僕でも、十二分に楽しめました。

俳優も、脚本も、撮影も音楽も、全て良かった。
フィリップはこの映画でオスカーを獲りましたが、なるほど納得しました。
他の候補の、『ブロークバック・マウンテン』のヒース・レジャーも、
『グッドナイト&グッドラック』のデヴィッド・ストラザーンも良かったんですけど、
さすがにこの映画のフィリップはそれを上回る出来だったなあ。

また、作品賞にもノミネートされたこの作品ですが、この年に受賞したのは『クラッシュ』
他の候補が『ミュンヘン』、『ブロークバック・マウンテン』、『グッドナイト&グッドラック』と、
この『カポーティ』だったんですが、全ての作品を観終わって、
「なんてレベルの高い争いだったんだろう!」と、今頃驚きましたよ。(笑)
でも、この『カポーティ』が、この年を代表する1本であっても
僕は何の不思議でもないです。

素晴らしい映画でした。
全く興味のない人には眠い映画かもしれないけど、僕はぐんぐん惹き込まれましたよ!
まさに傑作でした。9点です。
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by ginpei_chan | 2007-03-06 18:36 | 映画(か行)
’50年代、病床の母のため、ボストン・マラソンに挑んだ14歳の少年が起こした
奇跡の物語、それがカナダ映画『リトル・ランナー』
原題は『Saint Ralph』。“聖なるラルフ”ってことでしょうか。
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ちょっと話題になった感動ドラマ、ってことで観てみたのですが、
まあ、なるほど、14歳の少年が起こす奇跡のお話。
これで涙できる人も多いんだろうなあ…
また、主人公のラルフは、熱心にマラソンの練習に励むんだけど、
タバコは吸うわ酒は飲むわプールの水道管でオOニーはするわ、
ちょっとアンチ・ヒーロー的な側面も見せるのが面白いところでしょうか。
でも、そんなラルフ少年が、昏睡状態に陥った母を目覚めさせるためにマラソンに挑む。
で、奇跡を起こす。

なーんか、安直な話です。
それは、科学的なトレーニングが存在しない時代の話だから、
ポッと出のランナーが快挙を成し遂げることなんざ在り得なかったわけではないけれど、
それでも、ラルフが快挙…ということについては、根拠が無さ過ぎる。
彼が奇跡を起こす根拠がそれほど描かれないまま、強引に奇跡が起きちゃうもんだから
僕は呆気にとられてしまいました。
まあ、いいお話ではあるんだけど、「マラソンってそんな簡単なもんじゃねえだろ」
と、ちょっと冷めてしまいましたよ。(笑)
まあ、これで泣ける人も多いんでしょうから、
映画を観て泣きたい気分になっている人にはオススメです。(笑)
5.5点。
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by ginpei_chan | 2007-03-05 22:59 | 映画(ら行)
さて。
アカデミー賞作品賞を受賞し、御大マーティン・スコセッシに念願のオスカーをもたらした、
香港映画『インファナル・アフェア』のリメイク『ディパーテッド』
レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォルバーグ、
マーティン・シーン、アレック・ボールドウィン、レイ・ウィンストン…
錚々たるメンツとはこのこと!
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で。
この映画、香港映画のリメイクなワケで、僕はもう何年も前に、
そのオリジナルの『インファナル・アフェア』を映画館で観ています。
トニー・レオンとアンディ・ラウ、それに他のキャストも素晴らしかった!
全部で3作作られたけど、やっぱり1作目は傑作だったと思う。

そんな『インファナル・アフェア』のリメイクが『ディパーテッド』で。
上記のビッグネームたちがプレイロールしているわけです。
で、この映画、もうけっこう前にロードショーが始まってて、
既にこの映画を観た方たちの寸評や感想などをいろいろ目にしてきたんですが…
手放しで絶賛!という意見は今もって未見。
それなりに肯定的には受け止められているようですが、
それでもオリジナルの方が上だった、という意見も多く見られます。
そういう意見を目にしちゃあ、なかなか映画館に足が向かなくなるのも
無理はないですよね。(笑)
というわけで、こんなに遅いタイミングで鑑賞することとなったわけです。

前置きが長くなりました。
では、既に『インファナル・アフェア』を観ていて、アジア映画は好きで、
アンディ・ラウもトニー・レオンも名優だと思っている僕が観た『ディパーテッド』。
面白かったです。(笑)
自分でも意外なんですが、けっこう楽しめました。
手放しで賞賛!という感じもしなかったのですが、とてもよくできていたと思います。
僕が感じた『ディパーテッド』は、まさにスコセッシ流マフィア映画。
ふたりの「覆面」の生き様、苦悩がうまく語られていました。
主役のふたり以外の俳優たちもさすがの存在感だったし、
名前は知らないんだけど、主役ふたりに愛されるヒロイン役の女優さんもとても良かった。
それに、映像の感じも「スコセッシ!」って感じで良かったし、
「大都会のひずみ」みたいな街で這いずり回って生きている男たちって感じがして、
スコセッシが描きたい都会(まあ主にNY)って、きっとこういうのなんだなあ。
それから、この映画で気に入ったのは、セリフが気が利いているってこと。
なんか、全てにおいて聞いていて楽しいセリフ。
演じる俳優が良かったのか、脚本が良かったのか、ともかくセリフが良かったです。
そして、僕が最高に評価したいこの映画のキモは、
ディグナム役のマーク・ウォルバーグです!
アカデミー賞の助演男優賞にもノミネートされて、惜しくも受賞は逃したけど、
ゴメンなさい、『リトル・ミス・サンシャイン』のアラン・アーキンよりも、
『ドリームガールズ』のエディ・マーフィーよりもずっと良かったです。
みなさん、彼の最後の登場シーン、観ました?
もちろん、彼はこの映画でずっと光ってましたけど、
もう彼の最後のシーンは鳥肌モノでしたよ!
いやあ…いい映画に巡り合えたんですね。そう思います。

まあ、確かにリメイクです。
確かに、彼の映画で、この作品より良かったものもあったと思います。
確かに、彼は公式な発言として、この映画を作るのが嫌だったと言っています。
でも、長年アメリカ映画界に貢献し続け、リメイクであるにしても
それなりの水準の作品と撮りあげた手腕は賞賛に値すると思います。
なにより、映画監督マーティン・スコセッシへのあの万来の拍手!
この作品どうのというより、
あの夜は「スコセッシ・ナイト」だったんだね。
「アメリカ」を様々な視点から撮り続けてきた彼を、「アメリカ」が祝福した夜。
素敵な話じゃないですか☆

ともあれ、映画としてもなかなかよくできていたと思います。
俳優たちの熱演、光りあう存在感、こだわりの映像、気の利いたセリフと音楽、
そしてマーク・ウォルバーグ!
最初は観に行くのも迷ったけど、映画館に観に行ってよかったです。
8点。
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by ginpei_chan | 2007-03-04 23:43 | 映画(た行)
ロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督とロシアのスタッフ、
そして、イッセー尾形をはじめとする日本人の俳優たちによって作り上げられた、
太平洋戦争終結直前の昭和天皇の姿を描いた『太陽』
去年、映画館で観たかったのですが、観逃してしまい、
しかし、企画上映という形で、年をまたいで映画館で観る機会を得ることができました。
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この映画、天皇ヒロヒトの日常を、その孤独と苦悩を通して描かれています。
かつて、僕たち日本人が、歴史の授業でも教えてもらえなかった、「天皇裕仁」。
太平洋戦争といえば、満州事変、盧溝橋事件、日中戦争、第二次大戦開戦、
真珠湾攻撃、マレー沖海戦、ミッドウェー海戦、レイテ沖海戦、硫黄島、
沖縄本土決戦、原爆投下、御前会議、玉音放送...
歴史の教科書には、開戦し、日本がどういう戦役を経て、停戦に至ったかが書かれている。
しかし、いつも、その戦争に於いて、最高意思決定機関の中心にいたはずの
唯一絶対の存在についての記述が、驚くほど抜けている。

神だったのかもしれない。人間だったのかもしれない。
好戦的だったのかもしれない。穏健的だったかもしれない。
傀儡だったのかもしれない。優秀な海洋生物学者だったのかもしれない。
何であれ、一種のタブーとしてこれまで語られなかった「彼」が、そこにいた。
それを描いてくれた監督、スタッフ、俳優たちに、素直に感謝したいと思います。

それに、主役の裕仁天皇を演じたイッセー尾形!
あの、独特の「あっ、そう」から、仕草から、無味乾燥的な佇まいから、
全てをまるで「彼」がそうであったのかのように「彼」になりきって、
「彼」の、最も近くにいた侍従たちにも理解されなかったであろう、
誰にも愛されない孤独や現人神たる苦悩をまざまざと体現してみせた。
おそらく、去年観たさまざまな映画の中で、最も印象的な演技だったのではないだろうか?
たとえ、実際の「彼」がそうでなかったとしても、
当時から60年以上が経った今、それを僕たちに「リアル=現実にあったこと」として
感じさせてくれることができるのは、彼しかいなかったのだと思います。
とにかく、静かでいて鮮烈、穏やかでいて圧倒的、そんな「裕仁」像でした。
素晴らしかった!

2時間ほどの作品の中で、舞台となるのは、彼が終戦間際に暮らしていた、
皇居内の海洋生物研究所と、マッカーサーに会いに行った連合国軍総司令部のみ。
映画館では、残念ながら寝息も聞こえていました。
でも、僕は、2時間の間、少しも眠くなかったし、確かに惹き込まれていました。
観終わった後、僕が、映画館での映画鑑賞体験の中でごく稀に感じる、
「凄い映画を観た。」
面白いとか、爽快だったとか、カッコよかったとか、エロかったとか、可愛かったとか、
そういうのを超えちゃったときに、ただ「凄かった」と感じることがあります。
去年でいえば、『ホテル・ルワンダ』『ユナイテッド93』
その前では『ミリオンダラー・ベイビー』『オールド・ボーイ』がそれに当たるんですが...
もちろん、誰が観てもそう感じるというわけではないと思いますが、
少なくとも僕個人にはフィットしてしまった。そんな映画だと思います。
ああ...久々に出逢えたよ、こんな映画に。
9.5点です。
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by ginpei_chan | 2007-02-21 16:43 | 映画(た行)